パスウェイ解析(Pathway解析)とは?パスウェイ解析を行う方法
パスウェイ解析(Pathway解析、パスウェイエンリッチメント解析)とは、ある遺伝子リストについて、遺伝子全体と比較して有意に多く観測されるパスウェイを抽出する解析です。
RNA-Seq解析において、発現が変動した遺伝子群を抽出した際に、その遺伝子群がどのパスウェイに強く関与しているのかを調べるためによく実施されます。
パスウェイとは?
パスウェイとは、遺伝子やタンパク質や化合物等の相互作用を表現したものです。代謝経路やシグナル伝達系やタンパク質間相互作用、遺伝子の制御関係等の情報を含みます。
パスウェイのデータベースとしては、Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes(KEGG)やWikiPathways等が有名です。 KEGGはアカデミック研究者を対象に無償公開されていますが、企業の方が利用するにはライセンスが必要となります。 一方でWikiPathwaysはコミュニティにより作成されており、誰でも自由に利用することができます。
パスウェイの例(WikiPathways)
パスウェイ解析とは?
パスウェイ解析を行うと、ある遺伝子のリストについて、遺伝子全体と比較して有意に多く観測されるパスウェイを検出できます。
たとえば、RNA-Seq解析を行った結果、発現が変動した遺伝子が600個検出されたとします。この600個の遺伝子の中でパスウェイ「Cytoplasmic ribosomal proteins」に関与する遺伝子が30個であった場合を考えます。
遺伝子全体で見ると5598個の遺伝子のうち87個がパスウェイ「Cytoplasmic ribosomal proteins」に関与していますので、ランダムに遺伝子を600個抽出した場合と比較してパスウェイ「Cytoplasmic ribosomal proteins」に関与している遺伝子が有意に多いと判断されます。そのため、このパスウェイがエンリッチされているとして検出されます。
論文に必要な解析が簡単にできるRNA-Seqデータ解析ツール
RNA-Seqデータ解析ツールを利用すれば、外部委託や共同研究者への依頼は必要ありません。高スペックなコンピュータの準備やLinuxコマンドの操作も不要ですので、いますぐにご自身で解析できるようになります。
遺伝子発現量の定量、発現変動遺伝子抽出(DEG解析)、Volcano plot描画、MAプロット描画、ヒートマップ描画、GO解析、パスウェイ解析等 を簡単に実施できます。