試薬在庫管理をエクセルで行う方法とその限界
試薬在庫管理とは?
試薬在庫管理は、試薬や化学薬品の「在庫」「使用状況」「保管場所」「使用期限」などを適切に管理することを指します。
エクセルによる試薬在庫管理の方法
試薬在庫管理をエクセルで行う方法は、以下のような手順で進めます。
- 項目設計: 商品名、ロット番号、メーカー、保管場所、使用期限などの必要な項目を決めます。
- 在庫管理シートの作成: 試薬の使用を記録するためのシートを作成します。
- ファイルの共有: 研究室のメンバーと共有できるように、クラウドストレージ等に保存します。
在庫管理シートは以下のような形式が考えられます。
試薬別に表で管理

試薬ごとに表を作成し、入庫や使用の記録を残していきます。 この方法は、少数の試薬を管理する場合にはシンプルでわかりやすいですが、試薬の数が増えると管理が煩雑になりやすいです。
1つの表で管理

すべての試薬を1つの表で管理する方法です。商品名を選んで、その使用記録を1行ずつ追加していきます。 この方法は、試薬の数が多い場合でも管理がしやすく、フィルター機能を使えば特定の試薬の使用状況を簡単に確認できます。
エクセルによる試薬在庫管理の問題点
エクセルで試薬在庫管理を行う方法は、手軽に始められる一方で、以下のような問題点があります。
- 同時編集での競合が発生する可能性
- 使用期限の管理が難しい
- スマホやタブレット等で操作しづらい
- バーコードスキャンで手元の試薬の情報に素早くアクセスできない
- 情報が増えてくると、操作が重たくなりやすい
- データのバックアップが手動で行う必要がある
エクセルでの試薬在庫管理に限界を感じる場合には、試薬在庫管理システムを導入することをおすすめします。
試薬在庫管理システムとは?
試薬在庫管理システムは、試薬や化学薬品の「在庫」「使用状況」「保管場所」「使用期限」などを一元管理するための専用ソフトウェアです。 人の記憶やエクセルに頼った管理方法と比べ、情報共有や集計・報告が効率的に行えるため、研究室や企業の研究開発部門での利用が進んでいます。 また、化学物質管理に関する法規制の厳格化に伴い、研究環境の安全性とコンプライアンスを向上させる目的として導入されるケースも増えています。
システムによって異なりますが、以下のような機能が提供されることがあります。 自分たちの研究室にとって「必要な機能」が何かを明確にし、優先順位をつけて選定することが重要です。
- 在庫管理: 試薬の入出庫記録、在庫の把握、バーコード連携など。
- 期限管理: 使用期限や開封後期限のアラートなど。
- 使用履歴: 「誰が・いつ・どれだけ使用したか」の履歴が残る。
- 法令対応: 毒劇物・消防法・労働安全衛生法などの対応状況。帳票出力など。
- SDS管理: 各試薬にSDS(安全データシート)紐付けて管理。
- 機器連携: 電子天秤・スマートフォン・ラベルプリンタなど外部機器との連携。
機能が豊富でも、操作が複雑であれば現場で使われなくなってしまう可能性があります。 現場の研究者にとってストレスなく使えるか、以下のポイントを確認することが重要です。
- 操作のシンプルさ: 試薬の登録や出庫・返却が数クリックで完了するか。
- バーコード対応: スキャン操作で持出・返却が可能か。
- スマホ・タブレット対応: PC以外の端末でも使えるか。実験中に操作できるか。
- 多言語対応: 外国人研究者が多い研究室では日本語以外の表示切替が可能か。
- マニュアルやヘルプの充実度: 新しいメンバーが迷わずに使える設計か。
試薬在庫管理システムを導入する際には、価格も重要な判断材料になるかと思います。 以下は料金例です。
A社
課金体系: サブスクリプション初期費用: 10万円価格: 月額1万円〜備考: 試薬数に応じて価格変動B社
課金体系: サブスクリプション初期費用: 要問い合わせ価格: 月額9万円備考: 無償トライアル有り。価格変動無し。C社
課金体系: 買い切り初期費用: 要問い合わせ価格: 100万円〜備考: 拠点数により価格変動おすすめの試薬在庫管理システム
試薬在庫管理システムは、研究室の規模・利用頻度・管理体制によって最適な選択肢が異なります。 高機能で多機能な製品もあれば、手頃な価格で最低限の機能に絞った製品もあります。
弊社では、月額1,500円で使えるクラウド型の試薬在庫管理システムを開発しています。 小規模な研究室でも無理なく導入できるよう、必要な機能に絞って圧倒的な低価格を実現しました。 無償トライアルが可能ですので、是非その使いやすさを体験してみてください。
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