【RNA抽出】主な手法の原理・メリット・デメリット
はじめに
RNA抽出とは、細胞や組織などの生体試料からRNAを取り出し、後続の解析に使用できる状態に精製する操作です。 RNA-Seq解析、RT-qPCR、マイクロアレイ解析など、様々なアプリケーションの出発点となる重要なステップです。 これらのアプリケーションでは、RNA抽出の質が最終的な結果を大きく左右します。
本記事では、代表的なRNA抽出法とそれぞれの原理・利点・欠点を紹介します。
AGPC法
AGPC法(Acid Guanidinium-Phenol-Chloroform法)は、RNA抽出の古典的手法であり、現在でも高純度RNAを得るために広く利用されています。 RNAは水層に保持され、DNAは有機層または中間層へ分配される性質を利用しています。
メリット
- 高い収量と純度を得られる
- 幅広い試料に対応可能
- 試薬コストが比較的安価
デメリット
- フェノールやクロロホルムを扱うため危険
- 手作業が多く高スループットに不向き
- 熟練を要し再現性が低い可能性
スピンカラム法(シリカメンブレン法)
スピンカラム法は、現在最も一般的に利用されているRNA抽出法です。 この手法では、RNAがシリカメンブレンに吸着する性質を利用してRNAを回収します。
メリット
- 操作が簡便で再現性が高い
- フェノールやクロロホルムを使わないため安全
デメリット
- カラム容量に限界があり収量は中程度
- 短鎖RNA(miRNAなど)は追加操作が必要
- ランニングコストが高め
磁気ビーズ法
磁気ビーズ法では、RNAを吸着するように加工された磁性ビーズを使ってRNAを吸着・分離します。 外部磁石を用いた洗浄と溶出操作により、高純度RNAが得られます。 近年は自動化装置と組み合わせた高スループット処理に活用されています。
メリット
- 高純度RNAを得られる
- 自動化・高スループット処理に適する
- フェノールやクロロホルムを使わないため安全
デメリット
- 装置や試薬の導入コストが高い
- 場合により収量がやや低下する場合がある
RNA抽出キット
現在、多様な試料・用途に特化したRNA抽出キットが市販されています。 血液用、植物用、FFPE用、微量RNA回収用など、目的に応じた最適化がなされており、初心者でも再現性よく高品質なRNAを得られやすくなっています。
主なRNA抽出キット一覧
| 分類 | 製品 | メーカー |
|---|---|---|
| AGPC法 | TRIzol Reagent | Thermo Fisher Scientific |
| ISOGEN | ニッポンジーン | |
| スピンカラム法 | RNeasy Kits | QIAGEN |
| PureLink キット | Thermo Fisher Scientific | |
| 磁気ビーズ法 | MagMAX mirVana Total RNA Kit | Thermo Fisher Scientific |
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以下のような方にオススメのRNA-Seqデータ解析ツールです。
✔︎ 外部委託や共同研究者への依頼は行いたくない
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