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MicroRNA(miRNA)の基礎:生合成のプロセスから疾患、解析手法まで

MicroRNA(miRNA)の基礎:生合成のプロセスから疾患、解析手法まで

更新日: 2026/2/4

miRNAとは

MicroRNA(miRNA)は、約22塩基ほどの短いノンコーディングRNAです。多くの場合で、mRNAの3′ UTRと相互作用し、その発現を抑える役割を担っています。

その標的は極めて広範であり、現在では、ヒトのタンパク質コード遺伝子のほぼ全てがmiRNAの制御下にあると考えられています。 近年、このmiRNAの発現量が異常になると多くの病気につながることがわかってきました。 さらに、miRNAは細胞の中から血液などの体液中へ分泌されるため、病気の有無や状態を調べる「バイオマーカー」として大きな期待が寄せられています。

miRNAの生合成

miRNAが成熟し、RISCとして機能するまでの流れは以下の通りです。

1. pri-miRNAの転写

核内でRNA polymerase II(Pol II)により、長いヘアピン構造を持つ pri-miRNA が転写されます。

2. pre-miRNAの切り出し

Drosha と DGCR8 で構成される microprocessor complex が pri-miRNA を切断し、前駆体である pre-miRNA を産生します。

3. 細胞質への輸送と成熟

pre-miRNA は Exportin5とRanGTP と複合体を形成し細胞質へと輸出され、Dicer によるプロセシングを経て成熟した miRNA二本鎖となります。

4. 複合体形成

miRNA二本鎖のいずれかのストランドが Argonaute (AGO) family タンパク質にロードされ、miRNA-induced silencing complex (miRISC) が形成されます。

miRNAが関わる疾患

miRNAの発現異常が、ほとんどすべての癌の病態に関与していることが明らかになってきています。 例えば以下のような癌に関わるmiRNAが見つかっています。

癌に関わる代表的miRNAの例

miRNA主な標的分子分類
miR-15-a / 16-1BCL2, Wt1, Rab9Bがん抑制遺伝子
Let 7 (a,b,c,d,e,f,g,i)RAS, MYC, HMGA2がん抑制遺伝子
miR-29 (a, b, c)TCL1. MCL1, DNMTsがん抑制遺伝子
miR-34CDK4, CDK6, Cyclin E2, EZF3, METがん抑制遺伝子
miR-145ERGがん抑制遺伝子
miR-221/222KITがん抑制遺伝子
miR-221/222P27, p57, PTEN, TIMP3がん遺伝子
miR-155MAF, SHIP1がん遺伝子
Cluster miR-17-92E2F1, Bim, PTENがん遺伝子
miR-21PTEN, PDCD4, TPM1, TIMP3がん遺伝子
miR-372/373LATS2がん遺伝子

癌以外の疾患でも、神経変性疾患や心血管疾患、さらにはウイルス感染症などの広範な病態において、miRNAの制御不全が深く関わることがわかってきています。

miRNA解析の方法

miRNAの研究や診断には、目的に応じて主に3つの解析手法が使い分けられます。

主要手法の比較

手法特徴
qRT-PCR特定のmiRNAを特異的かつ高感度に定量する。
マイクロアレイ数千種類の既知miRNAを一度に網羅的に解析可能。
次世代シーケンサー(NGS / small RNA-seq)全miRNAの配列情報を取得できるため、未知のmiRNAや変異(isomiR)も検出可能。

論文に必要な解析が簡単にできるRNA-Seqデータ解析ツール

RNA-Seqデータ解析ツールを利用すれば、外部委託や共同研究者への依頼は必要ありません。高スペックなコンピュータの準備やLinuxコマンドの操作も不要ですので、いますぐにご自身で解析できるようになります。

概要

遺伝子発現量の定量、発現変動遺伝子抽出(DEG解析)、Volcano plot描画、MAプロット描画、ヒートマップ描画、GO解析、パスウェイ解析等 を簡単に実施できます。

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